インドが僕にくれたもの

中村です。 

 

今日でインターンの終わりをむかえます。

色々書きたいことがあるけど、それはのちにぼちぼち言語化することにして、

 

インド最後のブログは『国際開発について考えたこと』というテーマで締めくくりたいと思います。

 

この「開発」って言葉はひどく便利で、この一言で多種多様な分野を包摂する力がある。

 

だから僕は、興味関心分野を聞かれた際に、「国際開発」ですと答えてしまっていた。

今でさえ、そう答えてしまうこともある。

 

僕の場合は、途上国での経験を経て、

この「国際開発」と俗に言われている道を志したわけなので、

その答えは嘘では決してないけど、ひどく抽象的すぎるということも自覚している。

 

別に抽象的な答えを口にすること自体に問題はあまりないのかもしれないけど、

抽象的なところからどこまで具体的な話ができるかでアクションにつながるかどうかが大きく左右される。

 

この点は、僕もずっと考えていたことではあったのだけれど、なかなか明確にできなかった。

 

でも、気付いたのが、具体化できない理由は単純であったということ。

 

それは、途上国で何かをしたいと思えた経験があっても、

何ができるか、何が必要かを見たり考えたりする現場経験が今までなかったから。

 

 

そこで、今回BASIX Social Enterprise Groupという企業で約半年間インターンシップをしたわけですが、

そうするとまずわかったのが、抽象からの具体化のプロセスの重要性。

 

BASIXという企業を説明する際に、社員が口を揃えていうのが、

Livelihood Promotionという言葉。

 

でもこのLivelihoodってものすごい抽象的なんですよ。

生活のあらゆる側面に関係するので。というか生活そのもの。

 

でも、続く説明が、事業ごとかなり具体化されていく。

Livelihood Promotionと聞くだけでは、何を実際しているかわからないけど、

事業の具体的な話を聞くと、「なるほど、なるほど」となる。

それで、最後にまたLivelihood Promotionという話に戻ってくる。

 

これのすごいところは、BASIXの一つの特徴でもあるのだけれど、

多様な事業に共通のゴールを持たせること

 

だからこそ、金融も農業も環境も全く畑違いのように思える分野にリンクが見え始める。

これに気付いた時、そしてこの気付きを企業の掲げる戦略と照らし合わせた時、

僕はBASIXという会社にひどく感動したわけです。

 

と同時に、気付いたのが、志を抽象と具体の両面から表現できることの大切さ

 

抽象で相手を惹きつけ、同じ方向を向かせる。

具体で相手も説得し、行動に移す。

 

そのプロセスが大事なのかなと。

 

そんな僕は、今回のインターンを通して、間違いなく自分が進みたい方向はインターン前よりクリアーになったかなと。もちろん、まだまだ詰めていかないといけないけれど。

 

 

そして、もう一つ大きな変化が、自分の中の「開発」という言葉の解釈かなと。

 

インドに来る前の僕は、「開発」というものを「マイナスをプラスにするプロセス」だと頭のどこかで考えていた。

そして、そのプロセスっていうのは、「足し算」が基本だと自然と解釈していた気がする。

つまり、貧困層が直面している課題(マイナス部分)を、ビジネスや援助などの方法(プラス部分)で補うイメージ。

 

 

でも、インターンの中で、何度か事業を視察することを通して、考えるようになったのが、開発は「掛け算」で考えたほうがしっくりくるのではないかということ。

 

何が言いたいかというと、「開発」のプロセスで大切なのは、

対象者の持つ「能力」・「スキル」・「願い」・「情熱」といったものを引き出すことであって、スタートは必ずしもマイナスではないということ。

 

だから、何か事業をする時は、対象者がもつポテンシャルに対して、

より大きな数で掛け算できる仕組みを考えることが大切なのではないかと。

 

んで、大きな数を作り出すために、重要なのが、表面化したニーズと表面化していないニーズに沿うことなのかなと。もちろんこれだけではないけれど。

この点はこの先いろいろと考えていきたいところです。

 

僕のインドでのインターン生活はこれで幕を閉じることになりますが、

今の自分は、インターン開始前の自分とは比べものにならないほど、

新たな視点を持てている。

 

そう考えると、人生ってものすごいなと。

経験って貴重だなと思ったところでした。

 

インターンにあたりお世話になった方々、ありがとうございました。

帰国したら報告に行かせて頂きたく思います。

 

そして何よりインド、ありがとう!!

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中村