Barefoot College訪問 ソーラー事業
どうも、中村です。
今日、何を書くかって?
そんなもう決まってますよね。Barefoot Collegeについてですよ。
これまで3回に渡り書いてきましたが、
今回は、訪問中、一番驚いた『ソーラー事業』についてです。
これ結構すごいので、お楽しみください!
突然ですが、皆さん。
電気のない生活って想像したことがありますか?
もしくは体験したことがありますか?
僕は過去に、家の電気が数日間全く使えないという生活を送ったことがあります。
体験した人にはわかるかもしれませんが、電気がない生活って想像以上に不便なんです。
僕の家の場合、
家がオール電化のこともあって一切調理ができなくなり(幸いにもガスコンロを使って調理していましたが)、
電気がないからもちろん暖房器具も動かせないし(冬なので大変)、
携帯の充電もできない(連絡手段が絶たれる)、
夜は基本何もできない。
という状況に陥りました。
色々な活動にものすごく縛りが生まれるんですよね。
日本ではこんな状況を経験することはかなり稀ですし、経験したとしても短期的なことですが、未だ多くの途上国で、電気にアクセスできない人々がいる。
外務省のページによると、
世界で電気にアクセスできない人々は約13億人(世界の人口の18%に相当)、特に、サブサハラ・アフリカでは、人口の約3分の2(約6億2,000万人)に上るといわれています。また、サブサハラ・アフリカでは、人口の約5分の4(約7億3,000万人)が調理に際して屋内大気汚染をもたらす、木質燃料(木炭、薪など)に依存しており、若年死亡の主要因となっています。電気やガスなどのエネルギー・サービスの欠如は、産業の発達を遅らせ、雇用機会を失わせ、貧困をより一層進ませ、医療サービスや教育を受ける機会を制限するといった問題につながります。今後、世界のエネルギー需要はアジアをはじめとする新興国や開発途上国を中心にますます増えることが予想されており、エネルギーの安定的な供給や環境への適切な配慮が欠かせません。
電気の恩恵を受けられないことで不便な生活を強いられることだけではなく、
それによって負の連鎖が生じていることが現実のようです。
こんな問題があることを踏まえて、
Barefoot Collegeのソーラー事業について説明しますね。(ウェブサイト参考)
まずこの事業の目的はですね。
「女性のソーラーライト技術者」を育成することです。
そして、その技術者を中心に、世界規模で電気のない僻地に、持続可能な電気をもたらそうというものです。
具体的にどのようなことをしているかというと、地元や国の機関と協働で、田舎の農村出身の中年の女性に対して、ソーラーライト技術者になるための約6ヶ月のトレーニングを提供しております。インド人はもちろんのこと、世界各地からここBarefoot Collageにトレーニングを受けにきている人がおります。(詳細は後述)
ウェブサイトによると、それらの女性のほとんどが非識字者となっていますが、訪問した際は、識字者もおりました。また、男性でトレーニングを受けている人もちらほらおりました。
ここまで読んで感動した人もいるかもしれませんが、
まだまだすごいことが現場では起きているんです。写真とともに紹介しますね。
まずは、トレーニングセンターから。
(Women Barefoot Solar Engineers Training Centre)
そしてこちらが、トレーニングが行われている部屋。
(中学校の技術の授業を思わせるような光景。)
何かすごいことに気付きましたかね?
そうなんです、参加者の国籍が多様性に富んでいるんです。
1:ミクロネシア連邦
2:ミャンマー
3:シリア
4:セネガル
5:マダガスカル
6:マリ
7:トンガ
8:キリバス
9:ボツワナ
10:ソマリア
11:メキシコ
12:カーボベルデ
こんだけ色々なところから集まっていますし、
集められた女性たちがその国の役人とかでは全くないので、
英語が話せるわけではありません。文字も読めない人もいるのかもしれません。
(「こんにちは」と話しかけてくれたトンガの二人の女性のうち、一人はコミュニティのために働いており、もう一人は野菜売りをしていたそうです。)
では、どうやって、トレーニングを提供しているかという話になりますよね。
答えはですね、「ボディランゲージ」なんです。
「言語が無理ならそうだろ」って話には確かになりますが、
これが実際に機能しているってものすごいことじゃないですか。
言語に頼らずして、このトレーニングを受けた女性たちは、
ソーラーライト技術者になり、故郷に戻り、故郷に明かりを灯すことになるのですから。
その明かりの下で、
子供たちが勉強しているかもしれないし、
家族の時間がもっと楽しいものになるかもしれないし、
商いを拡大できるかもしれないし、
住民が集まって笑顔が絶えない場となるかもしれない。
想像しただけで、僕なんかは、ものすごく嬉しくなってしまいましたね。
あぁ、ここから世界が少しずつ変わっていくんだろうなぁって。
ただですね、もちろんこのトレーニングを受けた女性が、
どれだけ故郷で活動できているかはわからない。
僕が思い描いたストーリーはただの空想なのかもしれない。
でも、僕は、
故郷のために知恵とスキルを身につけられる場があること、
その機会が故郷を想う人々に与えられていること、
に本当に感動しましたね。
しかもこれって、世界中のノウハウを他国で必要としている人に対して、発信できるということを示唆しているのかなと。今、何か具体的なアイディアが思いつくわけではないけど、このケースを見られたことは自分にとっても本当にいい財産になるかなと。
それともう一つ面白いのがですね、
女性たちが自国の文化を持ち込んでいるということですかね。
アフリカから来ている女性はアフリカ独特の柄の服を着ているし、
ミャンマーから来ている女性はタナカを顔に塗っているし。
グローバル化が謳われるようになって以来、
異文化とどのように共存するか、そのために何が必要なのかなんて考えることがあったけど、なんか異文化共存の新たな形を見た気がして。
一つのことに向かう上では、別に国籍も人種も言語も関係ないんだということ。
このBarefoot Collegeの卒業生が世界各地にできて、
卒業生が地元で新たな技術者を育てて、
世界中にBarefoot Familyができたら面白いだろうなって。
出身地が一緒だったり、母校が一緒だったりすると、
それまで顔も名前も知らなかった人でも少し身近に感じることってありますよね?
そんな感じで、Barefoot Familly。増えるといいな。
それとですね、ソーラー事業は、ソーラーライトの他にもありました。
こちら、冷水を温水に変える装置。
そしてこちらが太陽光を利用した調理器具。
これらも全てBarefoot Collegeで学んだ女性たちが作っているんだって。
Barefoot Collegeの創始者の言葉:
「エンジニアになるために紙の証明書はいらない」
いや〜、まさにそうでした。
そして、インターン先の企業も生計向上を目指しているために、
Barefoot Collegeの視察は一つのいいものさしとなるかなと。
事業のビジョンが共感を誘うものであること
ニーズベース(今回は電気)で事業を考えること
スケール化をどうすれば達成できるかを考えること
の必要性はものすごく感じましたね。
ではでは。
中村