イチゴの運命をたどれ~インドの物流事情を考える~② + おまけ:言葉について
ナマステ!武本です。
先週末は友人のイベントに招待されて、マハーラーシュトラ州ナグプルの日本文化交流イベントに行ってまいりました。
先日三浦がインドの言語について非常に面白い記事を書いてくれたので、コンセプトは違いますが自分も言葉について少し。
今回は日本語塾を営む友人が企画したイベントで、日本語を勉強するたくさんのインド人学生と交流することができました。
久しく日本語を勉強する学生と会っていなかったので、なんとも新鮮な気分。ナグプルには日本人があまりいないようで、日本人に会って話ができるというだけでもとても喜んでくれました。
自分の専門はヒンディー語なのですが、彼らのおかげで言葉を学ぶことの意味をまた考え直すいいきっかけになりました。自国の言葉を学んでくれているというのがどれだけありがたいことか。
面白いなと思ったのが、学生の積極性のちがい。これはそもそも国民性に近いかもしれませんが、こちらの学生はめちゃめちゃ積極的です!
日本語を6カ月ほどしか学んでいない、文法も単語もまだまだ知らないことが多いという学生でも、必死に日本語を使おうと、ガンガン話しかけてきてくれました。
ここに、インドの人たちが言語学習に長けている理由を見た気がします。
本当に自分もそうなのですが、せっかくヒンディー語学んでいながらも、インドの方を見てもなかなか話しかけられかったんですよね。(特にインドに来るまでは!)
こういうところは本当に見習っていかないとなあと思った次第でした。
そして、言語を学ぶということはその言語を話す人々の文化・考え方・歴史を理解することと密接に関わることだと自分は感じています。
インドの「3言語政策」をめぐる北インドと南インドの間でおきる言語についての論争なども、こうした観点から考えることができれば少しは状況が良くなるのかなあと思います。
ある言語を身に着けるのにそのほかの言語を捨ててしまう必要はないというのが、個人的な意見。もちろんそんな簡単にはいかないから、今でも課題として残っていると思うのですが。
さて!今日はイチゴの運命をたどれシリーズ第2弾ということなのですが、
申し訳ありません。
・・・イチゴ、売り切れでした。
意外と人気商品なんでしょうか。
ということなので、代わりに
みかん(ナグプル産)
についてちょこっと話を聞いてきました。
なんと、先週末行ってきたナグプルからみかんが来ているそう。
インドの中でもナグプルはみかんの一大生産地なのだそうです。
暇そうにしているスタッフに話を聞いたところ、
自分「バイヤー!このみかんってどこからきてるの?」
スタッフ「ああ、ナグプルだよナグプル。ナグプルからトラックで運ばれてくるんだ。」
自分「週に何回来るの?誰が輸送してるの?」
スタッフ「無くなりそうになったら運ばれてくるんだよ。輸送してるのは会社の人間さ。」
自分「農家から直接仕入れてるの?それとも組合かなにかを通して仕れてる?」
スタッフ「いやあちょっとそこまでは分からないなあ。カテゴラルマネージャル(Category maneger?)に聞いてみないと。」
自分「そうですか、カテゴラルマネージャルには会えますか?」
スタッフ「今チャイを飲みに行ってるから、2分後には帰ってくるよ。ちょっと待ってればいいよ。」
・・・はい。みなさまの予想通り30分ほど待っても帰ってこなかったのでそのまま帰宅しました。ツーミニッツ、ツーミニッツ言ってたんですけどねえ、インド時間をここで見事に発揮されてしまいました。
ということで詳しい話は聞けなかったのですが、みかんはナグプルからやってくるということと、どうやら長距離トラックでの輸送が主だということだけは何となく分かりました。
少し話は変わってしまうのですが、新興国では物流のインフラの不足ために不利益を被る人々がいます。
都市であれば100ルピーで買えるものが、遠隔地へ行くと120ルピーにいなるといったもの、いわゆるBoPペナルティと言われる現象です。
日本で一般的に新興国の社会的問題が語られるとき、意外とこうした道路整備や物流インフラ・バリューチェーンの事情は知られていないと感じています。
このあたりはブログ共著者の中村が詳しいところかと思うので、今後の彼の記事に期待です。
今回イチゴの運命をたどることはできませんでしたが、今後もイチゴがないか、カテゴラルマネージャルに会えないか、アンテナを張ってショッピングをしたいと思います。
以上、武本でした!