OH BAAP RE!なインド
OH BAAP RE!
武本です。
(朝から銀行前のATMにならぶバラナシ住民と中村・武本、ユウさん写真ありがとうございます!)
中村と同様、自分もバラナシの魔力にやられてブログを書くのを一日忘れてしまっていました。
約半年ぶりのバラナシでしたが、相変わらずなところもあれば、変わっていて驚いたこともあり。
バラナシにはゴードウリヤー呼ばれる大きい交差点があるんですね。
バラナシのスクランブル交差点とも言われるこの交差点から、少し先に行くともう一つ交差点があるんです。
そこで衝撃的なものを見てしまいました、そう、
信号
です。
まさかあのバラナシ、しかも旧市街のすぐそばの交差点に信号ができようとは。
驚きのあまり完全に写真を撮るのを忘れてしまったのが心残りですが、バラナシに行ったことがない方のために参考画像を一つ。
今回は夜バラナシに着いたんですが、信号付近に警察官がいて、そのときは一応信号守ってました。
ただ、警察がいない昼には、ここぞとばかりに本領を発揮。
無意味に赤・青・点滅を繰り返す信号を見ていると、
「ああ、やっぱりここはバラナシやなぁ・・・」
と妙に感傷的な気分に。
なぜ、信号はあるのでしょう。
信号は交通をスムーズにするためや、事故を防ぐために作られます。
バラナシの、信号なぞ気にも留めずに愛車を走らすオートリキシャ・サイキルリキシャのバイヤーを見ていると、いろいろと考えさせられました。
ルールや仕組みを作るのももちろん大事なんですが、結局人の中にある考え方が変わらないと、結局誰かが新たな抜け道を見つけ出して、それに対応するためにまた新しい取り組みやルールが必要になる。スパイラルですね。
あ、そうそう、冒頭の写真はキャッシュ不足でバラナシのATMに並んでいたときに撮ってもらったものです。(この時期のバラナシは非常に寒くて、我慢できずにゲストハウスの毛布を巻いて街へ繰り出しました。)
朝9時頃から並び始めましたが、列はなかなか進まず。
30~40分ほどしてやっと近づいてきたと思ったら、なにやら一人の若者がキャッシュカードを片手に、我々の少し前に並んでいた友人と思しき別の若者に近づいていったんですね。そう、その友人にカードを渡して現金を引き出してもらおうという魂胆です。
はるばる二日間のためだけにバラナシに来たにも関わらず、ATMに並ばざるを得なくなった自分たちへのまさに冒涜ともいえるこの行為。
「HEY, HEY, バイヤー!! NO CHEATING naaaa?!」
と声を上げたのは、
最近インド人よりもインド人ではないかと話題になっている中村君。
きっと彼もこの不正には目をつむってはいられなかったのでしょう。
結局後から来たその若者はすでにカードを友人に渡していたので、列の後ろに並ぶふりをしただけでした。すっきりしませんでしたが、まあ無事にキャッシュは手に入ったのでまあ良しとしましょう。
ただ、不便をこうむっているのは彼らも自分たちも同じ。
インドのこの「NOTE BANDI」(紙幣無効化)が発表されてから一カ月以上が経過していますが、いまだにATMには長蛇の列です。
税金を正しく支払っているのが国民の5%ほどしかいないというインド。
ブラックマネー撲滅がこの政策の一つの大きな目的ですが、
結局のところ大量のブラックマネーを持つ権力者は、賄賂を使って銀行などにコネクションを作り、代わりに旧紙幣を新紙幣に変えている。という声も聞きます。
真偽を確認できないので何ともわかりませんが、銀行職員が多額の賄賂のために汚職を働くというのはあり得る話ではあると思います。
バラナシの信号機も、今回のブラックマネー撲滅のための「NOTE BANDI」も、本質的には同じではないでしょうか。
根本的な考え方が変わらない限り、こうした抜け道を見つける人は必ずいる。
そんなOH BAAP RE!なインドを理解する難しさを改めて噛みしめた、バラナシ旅行でした。
(OH BAAP RE!=Oh My God!のヒンディー語版)
武本