あなたのサリー姿を見たいのに・・・

今週2回目、中村です!

 

ブログを書き始めてから、道を歩く際も、ご飯を食べている時も、ブログのネタを探すようになりました。

この前なんて、ブログを書き忘れる夢もみました。(うなされてたわけではありません笑)

 

何気ない日常でもアンテナを張れているあたりは非常にプラスかと。小さなことでも考える癖がつきました。

 

 

さてさて、タイトルが意味深で、このブログにたどり着いてくれた方、ありがとうございます。笑(こちらとしての作戦が成功したよう_です。)

 

確かにサリー姿のインド人女性を見ると美しいな~と思いますが、記事の内容はあなたが想像していたようなロマンチックなものではありません。

 

むしろ、デリー在住の方に迫るデリーの闇に触れることになります。お楽しみあれ。

 

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(出典:The Times of India)

 

はい、前回の投稿にあるように、ディワリがついこの間祝われました。

このディワリ、人々に幸せ、健康、富などをもたらすと考えれているようですが、実は、それらが人々の手元に届く前に、我々が全身で受け取っているものがある。

それは汚染された空気

 

日本でもPM2.5が騒がれる時って時々ありますよね。

でも、デリーの空気って想像を超えるほどやばかったんです。

 

デリー在住の人なら日頃から空気の悪さは自覚していると思いますが、とりわけディワリの後はひどい。

曇りがかかった中、通勤しなければなりません。

 

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(デリーの様子なんだけど、ちょっと写真じゃ伝わりにくいよね。ただとりあえず曇ってます。)

 

んで、一体全体、どのくらい深刻なのか、恐る恐る調べてみたんです。

(これを読んでいる+デリーに住んでいる方、真っ先に財布片手に薬局に走ることになると思います。)

 

 

なんとなんと

 

In some areas, such as the Pitampura suburb of north Delhi, PM2.5 levels increased to 1,238 on Sunday, compared with 435 the same day of the festival a year earlier. The World Health Organization recommends that PM2.5 is kept below 10 as an annual average. It says exposure to average annual concentrations of PM2.5 of 35 or above is associated with a 15% higher long-term mortality risk. (The Wall Street Journal Air Pollution in New Delhi Gets Dangerously High During Diwali Celebrations : http://blogs.wsj.com/indiarealtime/2016/11/01/air-pollution-in-new-delhi-gets-dangerously-high-during-diwali-celebrations/)

 

えっ???

どういうこと?

桁が違すぎて、もうこれはインドだからでは片付けられない。

 

こっちのBBCの記事でも、

 

Levels of tiny particulate matter (known as PM 2.5) that reaches deep into the lungs more than doubled within a few hours on Monday to 750 micrograms per cubic metre in the worst affected parts, India's Central Pollution Control Board said

That is 30 times a mean guideline set by the World Health Organization (WHO) of 25 micrograms per cubic metre on average over a 24-hour period.

(BBC Diwali fireworks choke Delhi, angering Indians http://www.bbc.com/news/world-asia-india-37819843)

 

 

ここまで読んで頂けたら、事態の深刻さがわかったことでしょう。

 

 

とりわけディワリの後で、高い数値が出ているということもありますが、そもそもデリーは、WHO20145月に公表した世界約1,600都市の 各大気汚染物質濃度調査によると第1位。そして11月から1月にかけては、天候条件等が重なり、ますます深刻になるそう。重点的な対策が求められるようです。

デリー在住者で詳しい情報を得たいとの方は、一つ資料を見つけたので、あげておきますね。

(インドにおける大気汚染の現状 在インド日本国大使館 医務官 金武和人 http://www.in.emb-japan.go.jp/PDF/20160215_(Dr.Kanetake).pdf

 

では、ここまで深刻な影響をもたらすのに、どうしてディワリで花火や爆竹に火をつけるのかを考えると、
 

①伝統だから。

前回の投稿で述べたように、花火でディワリを祝うことにインド人にとっては意味がある。だからやる。

世の中って全て合理的に回っているわけではないし、そこだけも求めて生きていくことはあまり面白くないですもんね。

日本人がクリスマスにケーキを食べるのとか、お盆は御墓参りに行くとか、初詣とか、あまり自分の中で意味付けがなされてなくても、幼い頃からそうだったもんってな感じでそれに従って生きる面って必ずあると思うんです。おそらくディワリにおける花火もそんな感じかと。

 

(でも、僕のデリーの友人の1人(Green Diwali支持者)によると、花火や爆竹というものは、ディワリ特有のものではあったわけではなく、長いディワリの歴史の中で割と最近行われるようになったとか。)

 

 

②害についての認知があまい。

インド人と言いましても、育ちも違ければ、受けた教育の量と質も異なるわけで、皆が大気汚染の深刻さに関して最低限の理解を持っているかというとおそらくそうではないのかと。特に、大気汚染のように、目に見える形で害を受ける(例えば病気になる)までに時間がかかるものに関してはなおさら理解が難しいかと。

 

これを書いていて思い出したのだけど、ケニアに行った際に、ホームステイ先の子供が、ひたすらベランダの床でお絵かきのマネのようなことをした後に、真っ黒の素手でマンゴーを食べているのを見て、『あ~これは・・・』って思った経験もありました。

 

彼らは、そういった環境下で育っているから、すぐにお腹を壊すようなことがないのかもしれないのだけれど、世界には不衛生な水を飲んで亡くなる子供が大勢いるように、汚れた手で食べることは安全ではない。

 

日本人の子供が手洗いを徹底して行なっているとは言わないけれど、明らかに汚れた場合は、手でものを食べることを拒むケースが多いと思うんです。

 

でもそれが何故かって言うと、「食べる前は手を洗いましょう」って教育が幼い頃から家庭とか学校でなされるからであって、生まれながらにして得ている習慣ではない。

 

それがどうしたかと言うと、つまり、このインドのディワリによる大気汚染の現状も、結局はその弊害の理解の欠如もしくは不足が一つの大きな要因かなと。

現に、少しずつではあるものの、Green Diwaliを訴える動きも出てきているようで。こういう動きがもっともっとメジャーになって、社会として関心が払われるようになると改善に向けて大きく舵きりがなされるんだろうなと思ってみたり。日本も公害が深刻化してから様々な措置がなされたようにね。

 
でも、原因が経済活動のようなものであると、利害のぶつかり合いが一つ重要な焦点だけど、文化や伝統と深く結びついている時にどのような議論がなされるのか。

 

この点は非常に気になるところです。

 

インドが時折見せる強引さを発揮して、「花火禁止!!」ってなるのか、

それともクリーンな花火の開発がなされるのか。

それともめちゃくちゃハイテクな空気清浄機が発明されちゃうのか。

それとも「インドはこのままでいんや。」って方向を貫くのか。

 

本当インドはどうなるんだろう。

 

時代の流れとか、国の発展度合いにによって、様々なことが変わりいくことはむしろ普通なのかもしれないけど、現代社会が直面する社会問題に対して、国として、インド人としてどう向き合っていくのかは、今後注目していきたいところです。

 

 

んで、タイトルはですね、大気汚染によって曇りきったデリーを嘆いたものでした。

 

サブタイトルもつけて、もう一度言わせてください。

 

『あなたのサリー姿を見たいのに。あぁ、悲しいよ。デリーの空が邪魔をするから。』
 

この声が数年後のインドに届きますように。

 

では、皆さん、良い週末を!!

僕は明日も働きます。あと、マスク買いました。

 

中村